健康保険料は保険者によってちがう!?
建設業許可を取ると、社会保険に加入するよう指導されることになります。
社会保険に加入すると、毎月、多額の社会保険料を支払うことになり、資金繰りが悪化してしまうケースがあります。
社会保険料は、厚生年金保険料と健康保険料の合計です。
厚生年金保険料は全国一律ですが、健康保険料はどの保険者に加入するかによって金額が変わってきます。
どれくらい変わるのか比較してみます。
健康保険料の比較
社長(42歳) 月給50万円
扶養家族:妻(38歳)月給8万円 子ども2人(学生)
同じ人が、協会けんぽ(社会保険)、市町村国保、国保組合(建設国保、中建国保、建設連合国保)でどれだけ保険料が変わるか比較します。
保険者 |
保険料(本人負担分) |
保険料(会社負担分) |
納付する保険料 |
---|---|---|---|
協会けんぽ(社会保険) | 23,923円 |
23,924円 |
47,847円 |
市町村国保(前橋市) | 53,116円 |
0円 |
53,116円 |
建設国保 | 45,700円 |
0円 |
45,700円 |
中建国保 | 38,600円 |
0円 |
38,600円 |
建設連合国保 | 35,800円 |
0円 |
35,800円 |
※平成27年1月1日現在の保険料です。
収入や家族構成によっても異なりますが、このケースだと、建設連合国保が有利なことがわかります。
協会けんぽ、市町村国保は収入によって保険料が変わりますが、建設国保、中建国保、建設連合国保は収入が高くても低くても保険料は一律です。ただし、建設国保、建設連合国保は年齢によって保険料が変わります。
まとめるとこうなります。
収入・所得によって保険料が変わる |
年齢によって保険料が変わる |
収入・年齢に関係なく一律 |
---|---|---|
協会けんぽ(社会保険) |
建設国保 |
中建国保 |
このように、同じ健康保険でも、ケースバイケースで保険料が変わってしまいます。
どの保険でも、医療費の窓口負担は3割であることに変わりないのに、です。
協会けんぽ(ほとんどの会社が加入している)は本人負担額と会社負担額の合計保険料を納めることになるので、これが、特に従業員の多い会社の資金繰りを悪化させる原因になっています。
国保組合に加入できる企業は限られている!
国保組合に加入できる企業は
従業員が5人未満の個人事業主とその従業員だけです。
ということは、個人事業主ではない法人や、個人事業主でも従業員が5人以上いる場合は加入できません。
法人や個人事業主で従業員が5人以上いる場合は、協会けんぽ(社会保険)に加入しなければならないからです。
ですが、裏ワザがあります。
たとえば、個人事業主として国保組合に加入し、その後、法人成りした場合は、協会けんぽ(社会保険)に加入せず国保組合に残ることができるのです。
こういった知識を法人成りする前や建設業許可を取る前から知っているのと知っていないのとでは大違いです。